埋設仕切弁のT字形開栓キー(開栓器)用 CHトルクリミッターは、従来のT字形開栓キー(開栓器)に直接取り付けられる製品であり、あらかじめ設定したトルクでスリップし、バルブを壊さない様に保護します。
- スリップトルクは50、100、150、200N・mの4種類を標準として御用意しています。(各バルブの強度及び最大機能試験トルク参考)
- スリップトルクは20~380N・mの間で御指定の設定トルクで製作することも可能です。設定トルクが180N・m以下の場合のキャップはKSC08(外径Φ80)を使用し、それより大きい設定トルクの場合はKSC10(外径Φ100)を使用します。
- 本体は軽量化を図るため、アルミニウム製としキャップ部はステンレス製(SCS 13)としました。
- 左右両方向はもちろんのこと、ワンウェイ方式(片側のみスリップする)でも製作可能です。その場合の本体は高力黄銅製となります。
- クリック動作で歯切れが良く、スリップしたことがはっきり分かります。スリップ角度が20度前後です。
- 繰り返し試験結果より、500回程度回転させても設定トルクの減少はほどんどありません。
- キャップと本体はOリングよるシールのため、内部に水が浸入することはありません。
埋設小口径仕切弁の問題点
埋設用小口径仕切弁は、必要以上に過大なトルクで開閉される危険性があります。
その原因は、次の様なことによります。
- キャップを見ただけでは小口径かどうか分かり難い。大口径並みに開閉操作する可能性がある。
- メタルシート仕切弁かソフトシール仕切弁かが分かり難い。 ソフトシール仕切弁はキャップ上に「S」の文字が鋳出ししてあるが、確認されないこともある。メタルシート仕切弁並みに開閉操作する可能性がある。
- 全閉時、ソフトシール仕切弁の操作力の増加は緩慢であり、これで良いというトルクが分かり難いので、過大なトルクで締め込む。
その結果、パッキン箱締付部からの漏水・ボルトの破損や「めねじこま」の破損による開閉不良が発生した事例があります。
対策とその問題
- 対策の一つとして、開閉を示す指針を設け、全閉したらそれ以上締め付けない様にすることが考えられます。しかし、この方法は、全閉位置は確認できても適正な全閉トルクかどうかは分からないために本質的な対策にはなりません。そこで、これ以上締め付けたらいけないトルクでスリップする、トルクリミッター(スリップ機構)を取付ける方法が考えられます。